覚え書き

清水恵み

今回の騒ぎの少し前から、ほら貝に興味を持ち始め

休校が決まってからほぼ毎日、裏山でほら貝を吹いている。

何故なのかはわからないが

目に見えない何かに向かって、生きた振動を伝える事を

続けなくてはならない気がした。

身体が先にやりたいとなっているので

やりながら、何故なのか考え続けている。

 

ほら貝の振動は、空中に響き渡る。

コロナが流行り出した時からずっと、ウイルスは今どう思っているんやろうと想像している。

外来種が日本に入ってきたとき、例えば、麒麟草、ここ2年位だとポピー。

まるで祭りのように増える。

まわりにすり合わせ出来るような生物もまだなく、それはまるで浮足立った状態で、

段々とまわりの生物と折り合いがつき、麒麟草は日本にあわせてサイズが小さくなった。

その祭りの真っ最中の時、一人勝ちの時、なんつうか

その種は、浮足立ってんじゃないかと思う。

 

コロナウィルスも、祭りのように増えてるとしたら

それは孤独の中にいるのではないかと勝手に想像している。

これはええと、エネルギーの流れの話で、

マジックマッシュルームを食べた時、

脳の後側から滔々とアドレナリンが出るのを感じて

「誰か止めてくれー!」と思ったことがある。

それは、しんどいのだ。

 

コロナはしんどいと思う。

 

風の谷のナウシカ」では、蟲使いを使い、

強烈な毒を吐く新たな菌糸を作り、大海嘯を起こさせる。

王蟲たちは彼らを迎えに行き、その身にとりこんで浄化していく。

ナウシカがその新たな菌糸の声を聴くシーンがある。

寂しくて孤独だと菌糸は言う。それを森は迎えに行く。

コロナが人口のウィルスだという説がある。

だとしたら、コロナは寂しくて孤独かもしれない。

 

これはヒトである自分の個人的で勝手な想像と言い草だが、

易経でいうところのエネルギーの流れを

細かい情感で捉えているとみている。

 

アマビエはコロナを敵にはしていないと思う。

そういうエネルギーの符号ではないはず。

 

山で、鎌倉古道で、自分を取り巻く全てのものと、

コロナウィルスに向かって、私はほら貝を吹いている。

空気が自分の身体を抜け、肺を通り、二酸化炭素となり、

呼吸の振動となり、振動は空気を響かせ、二酸化炭素は吸収され、

世界の一要素となる。

その象徴の音としてほら貝を吹いている。